2010年11月27日土曜日

ルッカデジタルフォトフェスト2009


イタリアの小さな街ルッカで開かれるフォトフェスティバルはとても魅力的なフォトフェスです。

ちょうど今の時期、11月20日から12月12日までがその開催期間ですが、なんといってもイタリアでも一番美しいといわれているトスカーナ地方で開かれるフェスと言うことでフィレンツェやピサといった都市をまわることとセットで行くことも魅力的な動機づけになるだろうと思います。
トスカーナ地方はミケランジェロ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ダンテ、ガリレオ、ラファエロ、ジョットなどを生んだ土地でもありますね。

2010年の今年は第6回目の開催になります。

アルルやヒューストンと比べると規模こそ小さいのですが、ローマ時代につくられたという城塞都市のなかで写真展の会場をゆっくり歩いてまわれることがなによりも心地いい。街の店はクリスマスのデコレーションが始まり、たんに歩いているだけでもなんだか心がうきうきとしてきます。もちろん、レストランもいろいろとあって簡単なピザからイタリアンディナーまで楽しめます。

オリーブオイル、パルメジャーノ・レッジャーノ、バルサミコなどもすごくリーズナブルな価格で買うことができる店があるので、イタリアの食材に目がない人にも超おすすめな街なのです。この時期は生ポルチーニはもうないけれど、乾燥ポルチーニを買ってくるのもいいです。ポルチーニセッキと言えばすぐに出してくれますよ。ぬるま湯でもどせばすぐにパスタに使えます。泥がついていることも多いのでよく洗ってね、ということです。

ホテルは日本からでもインターネットで予約できるB&Bもあるので城塞の中にあるB&B を予約していくといいでしょう。お値段も50ユーロ台からあるので安心です。ルッカの街の人間は閉鎖的でなく開放的だ、ということをききましたけれど、ぼくの泊まったB&Bのスタッフもすごくフレンドリーでしたね。言ってることがなかなか通じなくて、やっとああそういうこと、ってわかった時などもオー、っと言ってハグしてきたりしてとてもあたたかいです。

この魅力的なフェスはたった3人のスタッフで運営されています。主催者の一人スザンナさんにそもそもの由来をお聞きしたところ、この3人は普段は会議などの運営をしている人たちなんだそうです。ある夜に友だち同士で夕飯を食べているときにルッカでも写真のフェスティバルをやりたいね、という話になりそのときに写真の関係者もいたのでスザンナさん達と力を合わせればできるよ、ということになりなんとその4ヶ月後には第1回目の開催をやってのけた、という話でした。すごい実行力ですね。

ルッカの予算は大体50万ユーロもないそうです。主催者の3人は今のところボランティアでやっているそうですが、学生さんなどがお手伝いをしていて、この人たちにはちゃんとスタッフペイが出るそうです。予算の50%は地方からの援助、30%がスポンサーの援助で、20%が入場料などの収入になっているそうです。

地方行政が援助してくれるのは街のイメージアップにつながる、という事の要素が多いそうです。雑紙、テレビ、新聞などに取り上げられるので街のショーウインドウのような役割をになっているということになるのですね。

実はぼくはイタリアに行くのはこのときが初めてでした。ルッカに行ったあとにフィレンツェにも1日滞在してさっとまわってきましたが、ルッカに滞在したあとだとフィレンツェの街じたいは少々退屈におもいました。それほど、ルッカという街が魅力的だったからでしょう。

ルッカはフィレンツェから電車で1時間あまり。ものすごくお勧めの街とフォトフェスです。

LUCCAdigitalPHOTOfest

B&B Lucca Centro




ルッカの地図。城壁の内部は歩ける距離。
中世につくられた城壁。
リチャード・アベドンの展示場入り口。
アベドンの会場もクラシックな宮殿。
アベドンがファッションと決別したときのニューヨーカーに掲載されたシリーズ作品。細江賢治さんがこのプリントを見た途端に、これはアイリスプリントだと解説してくれました。アイリスプリントは初期のデジタルプリント技術。
ドヴィマと象のオリジナルプリントを見る細江英公氏。
マン・レイ展の会場
マン・レイの暗室。初めて見た貴重な写真。
ジュリエットの肖像
写真展だけでも約20の展示が行われた。イントレのようなセットを用いた魅力的な展示。さすがデザインの国イタリアだ。



ポラロイドでモデルを撮影してその場で作品を仕上げるパフォーマンス。
フォトレクチャーという名称で行われたポートフォリオレビュー。一人25ユーロで何人でも見てもらうことができる。

夕方になると街のあちこちに地元の人が出てきておしゃべりに興じる。
ワールドフォトプレスの会場。街の外から城壁を抜けるトンネルの中での展示。初めて使われた歴史的な場所だそうだ。

サテライト会場。暗室をもした展示でなかなか面白い発想だ。
地元の学生たちが写真を前にディスカッションしていた。
細江英公氏が宿泊されたB&B。地元の名士のお宅だそうで、広大な土地を持っていてワインもつくっていたりとお金持ちの邸宅が宿泊施設にそのままなっている。
ベッドもゴージャス。
ルッカの女学生たち。
城壁からの眺め。
広場にはメリーゴーランドがあってこどもたちが楽しんでいた。
城壁の上は公園になっていて市民の憩いの場所になっている。散歩する人も多い。
フェスティバルの期間、次第に街はクリスマス色が強くなっていく。
2009年はイタリアでは日本ブームだったそうで、アニメ、マンガ、お寿司、空手、剣道、春画などが話題になったそうだ。日本のアートも注目を浴びて草間彌生さんのことが新聞に取り上げられたりしたそうだ。ルッカのショーウインドウにもキティちゃんとかこけしをかたどったキャラクターを見かけた。



カワイイお店もいっぱいあります。古い街にとけこんだ新旧のショップはみているだけで楽しくなること請け合い。女性なら歩いているだけでもう楽しくてしょうがなくなるでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿