2013年1月16日水曜日

Photo l.a. フォトL.A.

毎年1月ロセンジェルスで恒例のアートフェア・Photo l.a.が開かれます。ちょうど今週から開催されるわけですが、おそまきながら、2011年の様子をご紹介しておきましょう。ファットフォトに寄稿したのでその時の原稿を掲載しておきます。

毎年1月にロサンジェルスで開かれるPhoto l.a.は、アメリカのウエストコーストを代表する写真のアートフェアだ。
アメリカの景気低迷で、数年前には開催を危ぶまれた時期もあったというが、今年は少し活気を取り戻したようにみえる。会場のサンタモニカシビックオーディトリアムはビーチのすぐそばの好立地。連日、好天とぽかぽか陽気にめぐまれ、2日目にはブラッド・ピットも訪れたそうだ。
写真専門のギャラリーを開業してなんと今年で35周年を迎えるというスーザン・スピリタス・ギャラリーは15年目の参加だという。オーナーのスーザン・スピリタスによると、アメリカのフォトマーケットはイーストコーストとウエストコーストではまったく違うということだ。ニューヨークの特徴はハイエンドコンテンポラリーといわれエディションも少なくサイズも大きく、値段も高い。ウエストコーストはコンテンポラリートラディッショナルといわれて、クラシックなものとコンテンポラリーの中間をいき、サイズは小さめという。値段も手頃な価格帯が多い。スーザンは今年から景気が上向いている感触をつかんでいるそうで、所属アーティストの一人、スーザン・バーンスタインの新作にはどんどん買いがはいっていた。
今年の特徴は中国やヨーロッパのギャラリーの参加がふえたことだろう。写真の傾向もよりコンテンポラリーなものがふえている。アメリカのマーケットはどちらかというと保守的。ニューヨークのAIPADもクラシックすぎてあきられているといわれるなかPhotoLAのこれからの動向は気になるところだ。コレクターのためのレクチャーやスティーブン・ショアなどのレクチャーなども盛りだくさんなので写真愛好家にはうれしいかぎりだ。
またCenter主催のポートフォリオレビューReviewLAも同時開催される。ゲッティミュージアムやLACMAのキュレーターなど主にウエストコーストのレビュアーが中心。 レビューを受けるときは自作をきちんと解説できること、何を目標としているかなど明確に伝えることが基本。日本と違って写真家とフォトマーケットのビジネスの現場なので、レビュアーとのきちんとしたコミュニケーション力は必須条件である。