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2009年9月6日日曜日

トーキョーポートフォリオレビューVol.3 Tokyo Portfolio Review

後藤繁雄さんとG/Pギャラリー主催のポートフォリオレビュー。

今回は東京都写真美術館IF アトリエで開かれた。推薦によって参加したフォトグラファーは10名。

レビュアーはDeborah Klochko(サンディエゴ美術館ディレクター)、Michael Hoppen(Michael Hoppen Gallery) 、保坂健二郎(国立近代美術館研究員)、竹内万里子(写真評論家)、中島英樹(グラフィックデザイナー)の各氏。

日本の写真家のポートフォリオはブックスタイルの人が多い。出版社へのセールスが多いせいかもしれない。

海外のレビューはシェル型のポートフォリオケースで見せる形式が一般的なようだ。ブックマットしてある場合もあるし、そのままプリントが入っている場合もある。オリジナルプリントのテクスチャーをきちんと見てもらうためにラップやシールされたブックに入れてプリントをみせることはあまりないようだ。
ギャラリストや美術館のキューレーターに見せることが多いため、すぐに展覧会のイメージやギャラリーでのセールスをイメージできるようなプレゼン方法になっているのだろう。

一つの写真プロジェクト(Body of Works)を見せるためのプリント数は大体15枚から40枚くらいが目安となる。これ以上のプリント数をもっていっても20分のわくだと見せるだけで終わってしまう。

一連のプロジェクトを見せて、自分のステートメントとゴールを説明し、レビュアーのアドバイスを聞く時間も重要なので、見せるプリントの数は十分吟味するべきだろう。

公式ウェブサイト




2009年7月27日月曜日

アルルフォトフォリオレビュー5

ポートフォリオレビューに何を期待するかと言うことは人によって少しずつ違うかもしれない。自分の作品を普段はなかなか会うことが難しい写真界のエキスパートに見てもらい講評してもらうだけでもうれしい、という方もいるかもしれない。

たいがいの人はわざわざ大枚をはたいて海外にやってくるのであるから、雑誌への掲載、写真集の出版、ギャラリーでの個展とかグループ展、ギャラリーとの契約と期待をふくらませる、というのはごく自然だと思う。

ただ逆にレビュアーの立場に立ってみれば20分という短い時間でこうした重要なことを決めるのはとてもリスキーなことであろう。よっぽどそのレビュアーのニーズと見せられたポートフォリオと写真家との相性がよくなければその場で何かが決まると言うことはないはずだ。

まずは、その場でのレビュアーの反応をよく確認して自分の作品を気に入ってくれるようであれば、自分の資料を渡してからレビュアーの名刺をもらって、メールの連絡先を確認することがまず第一に必要なこととなる。

後日、レビュアーにまずはお礼のメールをだそう。 案外、レビュアーからも丁寧な返事のメールが来たりするものだ。彼らもちゃんとこちらのことを覚えているものだし、通り一遍の挨拶だけではなく、あの写真は好きだった、とかあなたのあのプロジェクトの次の進展に興味がある、がんばって、とか一言ちゃんとつけくわえてあったりする。

レビューはまずはじめの一歩だと思う。せっかくのご縁なのだから、その後のフォローアップを大切にしよう。できればメーリングリストを作成して、定期的にメールニュースを出していくといいのではなかろうか。

アルルは時期的に欧米の長い夏休みの最初の時期に当たるので、アルルから帰った後にメールを出してもすぐのレスポンスは期待薄だ。すぐにレスポンスがなくても、あきらめずに夏休み明けにまた同じメールを出せばいい。

またアメリカで大流行のFacebookをうまく利用することも一つの技だ。一人でもFacebookでレビュアーとお友達になれば芋づる式にいろいろな関係者と友達になっていくことも可能だ。こちらからメッセージを送る方がレスポンスがいいこともある。

また名刺のアドレスとは別のアドレスを使っているレビュアーもいるだろう。僕がアルルでレビューしてもらったドイツのレビュアーは彼の雑誌で取り上げてくれるという話だったのだが、後日彼から雑誌掲載のことで連絡してきたメールは名刺にあるメールアドレスとは違うアドレスからだった。たぶんレビュアーは各地を転々としているので、ホームアドレスと違うアドレスを利用している人も多いのかもしれない。

ポートフォリオレビュー会場から一番至近距離にある休憩所。ちょっとした軽食と飲み物がある。デッキチェアがたくさん置いてあってここで飲み物を注文しなくても日陰でのんびりできる。
アルルの町の中心にあるフォーラム広場。まんなかの所に各カフェの出店が集まっている。
渡邉さんにお聞きしたところ、夜ご飯はここのフォーラムで食べるのがいいそうだ。レビュアーがきていることも多いのでレビュー外の交流の機会もあるというし、気さくな人が多いので情報交換にもいいのではなかろうか。
観光ガイドにも載っているヴァン・ゴッホ・カフェもこのフォーラムの所にある。

2009年7月24日金曜日

アルルフォトフォリオレビュー4

アルルにはヨーロッパ各地、アメリカからたくさんのレビュアーがきている。レビュアーを選ぶときにいろいろな国の人を選んだ方がいいというアドバイスを渡部さとるさんや2Bの方たちからアドバイスをいただいていた。

レビュアーの価値観は人によって千差万別なので、いろんな国の
人を選ぶということはいろいろな価値観と接することができるので一つの選択肢として重要だと思う。

さらに言えば、欧米の写真マーケットは単一ではない。様々な種類の写真マーケットと写真家が存在している。だから自分の写真をどのマーケットに売り込むのか、どのマーケットが自分に向いているのかを考えてレビュアーを選ぶことも必要になって
くる。

一枚一枚が美しい風景を撮影している写真家であれば、ギャラリーで売る写真に向いているだろうし、社会問題をテーマにしたドキュメント性のある写真であれば出版社や雑誌社にアプローチするのがまず一番目に考えられる。
もちろん境界線が明確にひかれているわけでもないし、レビュアー一人一人の個性と好みもあるから、自分の写真に興味を持ってくれる人がどの人なのかということをかぎ分けるのはなかなかむずかしいだろう。
できれば一回のポートフォリオレビューだけではなく、経験を重ねていきながら欧米の写真マーケットの人脈をつかんでいくことが大事なのではな
いだろうか。

以前知り合いのアーティストにどうやってアートだけで食べていくことができるのですか?と質問したことがあるのだが、その人の答えは、僕の活動を支えてきてくれたのは3人の人が自分の作品をコンスタントに買ってきてくれたことにつきる、という答えだった。

自分の考えを世の中に伝えていくのに、まず3人の賛同者を見つけることが重要だという話もある。3人の人に自分の情熱を理解してもらうことができればその人
たちが他の人にも伝えていってひろがりをもっていくというのだ。

ポートフォリオレビューでもまずは一人の理解者との出会いがとても重要なのではなかろうか。そして幸運にもその理解者と出会えたならば、誠意を尽くしてその人と長くつきあっていくべきだろう。

なにせ世の中にはくさるほどの様々な価値観が併存しているのだ。一人のレビュアーにくそみそに言われたからといって落ち込む必要はないし、いろいろなア
ドバイスを逐一聞いてそれにあわせようとしていたら自分の作品の特徴はなくなってしまう。

自分を受け入れてくれるマーケットを選別しながらも、自分のオリジナリティを磨きあげていくことがとても大事だと思う。

セリーンが選んだレビュアーのRobert Berman さん。ついでに僕のポートフォリオも見てもらったら福福星をえらく気に入ってくれた。どうも前日見てもらったHossein Farmani氏からも聞いていたようだ。後日レビューの帰りに通りかかったカフェに彼がいて、呼び止められて今ロンドンのギャラリストの友達が一緒だから彼にも見せろと紹介してくれた。どうもレビュアー達は仲間同士であの写真家のはどうっだったとか仲間内でいろいろ情報交換して楽しんでいるらしい。


スイスのWalter Keller氏。セリーンのレビューでは選んでいなかったが、昼休み前に見てください、と交渉してみてもらうことができた。
渡邉博史さんも9月にスイスで個展を開くギャラリーのオーナー家族と一緒にアルル入り。ギャラリーのオーナーにレビューに参加した写真家で気に入った人はいたか、と渡邉さんが質問したところ4人の写真家の名をあげてその中にセリーンが入っていたそうだ。そんなわけでセリーンはこの方にポートフォリオを見ていただいた。
ロンドンに新しくギャラリーを開設したLauraさんにポートフォリオを見せている渡邉さん。これもイレギュラーのレビュー。ブックマットされたポートフォリオになっている。渡邉さんクラスになるとなんだかレビュアーのほうがあなたのポートフォリオを見せていただいて光栄です、というかんじに見えてくる。彼女のボーイフレンドが猿が好きだということで渡邉さんの猿のポートレート集をうるうるしながら見ていた。
レビューを待つ写真家のためのテーブルがあるのだが、ちょっと少なすぎる。他になごめる場所が近くにないのが残念だった。レビューに参加した写真家同士ポートフォリオを見せ合うことがとてもしにくい。写真家同士がポートフォリオを見せ合うことは勉強にもなるし、他の国の写真家と知り合って情報交換するのはとてもためになる。レビューサンタフェでは多くの写真家と知り合えたし、他のレビューの情報交換もできた。
アルルでは、日本人の写真家たちの他には、レビュー時間を譲ってくれたノルウェーの写真家としか知り合えなかった。彼の写真はとてもおもしろかったし、彼が作っている手作りの小さな写真集もよかった。後でお互いの写真を交換しあおうと約束した。

2009年7月22日水曜日

アルルフォトフォリオレビュー3

7月7日、朝の9時半から僕らのレビューは始まった。今回は僕の通訳もしてくれる奥様のセリーンもポートフォリオをもって自分のレビューもこなしていかなければならない。

レ ビュー1日目の朝一番はあまり人も多くなくてチェックインする人の列もまばらだった。レビュアーもまだあまりきていないようで閑散としている。今年のレ ビューの場所は写真で見る昨年の場所と違うような気がする。昨日すでに確認しておいたParc des Ateliersという工場跡地のようなだだっ広い場所のさらに一番奥のどでかい建物Grande Halleというところの一番奥がレビューの場所になっていた。

最初のレビュアーはAperture Magazine のEditor in ChiefのMelissa Harrisさんだった。彼女からは雑誌に掲載するための条件として写真のバックストーリーが重要だという指摘をいただいた。例えば、僕の福福星というシ リーズであればなぜ彼らはこういうファッションをするのか、彼らの日常生活との関連はどうなんだろう、できればクラブのパーティ会場の写真もあればいいし 雑誌に掲載するときの物語が必要なんだ、ということ強調していた。

次のレビュアーはスイスのギャラリスト・キューレーターのWalter Kellerさん。この人はなかなかマニアックな人で写真を見るときに少し遠くに離れてみたり、これハーネミューレだよね、と用紙の種類を確かめたりポートフォリオを見るときにいろいろとパフォーマンスが入るのがおかしかった。他の写真家の写真を見るときもわざわざ明るいところに移動してみたり、写真家に写真を縦にして持たせてまた遠くから見たりとじっくり写真を見てくれるところに好感がもてた。

アルルのレビューは各写真家の持ち時間20分の後にインターバルがはいらず続けて行われるので、前の写真家が長引くと時間がおしてしまう。時間の管理もルーズなので、前の写真家がねばっていると5分、10分くらいどんどん押してしまう。
フランスはどちらかというとラテン気質の国なので、この辺はシビアに考えないのだろう。結局昼休みの時間に食いこんでいったりすることでつじつまを合わせることになる。
その分自分で機転をきかせていかないとわりをくらうことになってしまう。

3番目のレビュアーはイギリスの編集者のSimon Bainbiridgeさんだったが、なんとこの人は1時間の遅刻をしてきた。アルルのフォトフォリオレビューのところで仕切りをしているのはほとんど学生らしき人たちなのでこういうときはどのように対処したらいいのかわからないであたふたとしている。午後の一番最後に振り替えてもらおうか、とかドタバタしているときに次の番の写真家の人が「僕は彼と知り合いだから、後で見てもらうことにするから先にレビューしてもらっていいよ」といってゆずってくれて、結局順繰りに遅らせることで何とかしたみたいだった。

レビューサンタフェは非常によく組織されて整然と進行していくレビューだったが、アルルはなんとものどかでルーズな進行だ。

これに腹を立てるか、それとも逆手にとるかでだいぶ様子が違ってくる。レビュアーのほうも、あなたの作品はここに来ている誰それに見てもらうといいと思う、僕からの紹介だと言って見てもらいなさい、などとアドバイスがある。アルルのレビュー会場は出入り自由なので、レビュアーの席のシート表を見てお目当てのレビュアーを見つけて、レビューの合間に交渉して昼休みに見てください、と頼むとたいてい見てくれることになる。

たとえ他のレビュアーの紹介がなくてもこの人と目をつけた人がいたら、レビューの終わるのをそばで待っていて声をかければ見てもらえる可能性がでてくる。せっかくアルルまで旅行費用を奮発してきているのだからここは図々しく、積極的にせめていくほうがいいのだ。







今年のレビューからレビュアーの投票によるプリント展示がなくなって、全てのレビュー参加者の写真が一枚ずつ展示されることになった。その他に2台のコンピューターで参加者全員の5カットずつのポートフォリオを見ることができる。

レビュアーの席順を示した紙が入り口に貼ってあるのでこれを見て自分のレビューしてもらうレビュアーを見つける。アルルのレビューは毎年変化があるようなのできっと来年はもっと変わるかもしれない。

アルルフォトフォリオレビュー2

日本からアルルまでは結構時間がかかる。僕の選んだルートはまずエールフランスの深夜便でパリまで13時間30分かけてのフライト。早朝の4時過ぎにシャルルドゴール空港に到着し、そこからタクシーでリヨン駅まで行って駅で朝食をとって4時間半ばかり待つ。9時42分発のTGVに乗ればアルルまで乗り換えなしでいける。

リヨン駅では列車の発車20分前にどこのホームから出るか、電光掲示板に表示が出るのだが、アルル直行便は僕が待っていた場所よりもずっと奥のほ
うの別のホームから出るということがわかってあわてて荷物を持ってドタバタと移動。フランス人は掲示板に示される前からわかっているようでほとんどの乗客がすでに席に着いていた。やれやれだ。

アルルに到着したのが、午後1時38分。

ここまででもかなり疲れるのだが、今年は不運というかラッキーというのか、ツールドフランスにぶつかってしまい、アルル市内は車の通行が出来ない状態だった。
アルル駅に着くと、アルルの関係者が一人待っていてタクシーは使えないからアルルに参加する人は歩いてホテルまで行きましょうと先導してくれることになった。
なんかのっけからかなり疲れそうだなぁ、と思いながら荷物をころがしてアルル市内までとことこと歩いていく。駅から市内の中心地まではそれほどの距離ではない。荷物がなければどうということのない距離だ。


僕が予約していたアトリウムというホテルは市内の中心地から少し離れたところにあったのでそこまでがんばって歩いた。

ホテルについてチェックインしようとすると、ツールドフランスの影響でリネンが運べない。部屋のセットアップが出来てないのでチェックインできないよ、という話。おいおいいったいどのくらい待てばいいんだよ、といっても、さあね、というかん
じで要領を得ない。 

東京の家を出てから28時間くらいたっているので、シャワーを浴びてさっぱりしたいところなのだがどうしようもないので、フォトフォリオレビューの会場まで行ってみることにした。会場はパルク・ド・アトリエというだだっ広い会場でホテルからは10分くらいの距離。まだ用意が出来てないで関係者がうろうろしていた。

ホテルのちょうど前のヴィクトルユーゴー通りをツールドフランス
が通ることになっていて通りのまわりは観戦する人でいっぱいになっている。ただいつやってくるのかはわからなくて、先導の車らしきものがたまに通ったりするがあとはなにもなし。しょうがないので、通りのそばのカフェで一息つくことにする。

ビールを飲んだり、小腹が空いたからフライドポテトを食べたりしてなんだかんだしているとやっとツールドフランスご一行さまがだぁーっと駆け抜けていった。あっという間だ。

やれやれこれでやっとチェックインできるんじゃないか、というところまできて部屋にはいれたのがもう6時過ぎだった。


明日の朝一番からレビューだというのにのっけから疲れる要素が多すぎる。

おりしも今年のヨーロッパはえらく熱いという評判ではたして昼間はカンカンの日照りで30度をすぐにこしてしまう。

遅い夕食をすませてベッドにへたりこんだらあっという間に眠りに落ちた。








2009年7月19日日曜日

アルルフォトフォリオレビュー1

アルルのポートフォリオレビューは2007年に参加した渡部さとるさんがブログに紹介したり、カメラ雑誌にも参加した人のレポートが掲載されたりして日本ではかなり情報がふえてきている。

そんなわけで今年のアルルのレビューにはたくさんの日本人が参加していた。レビューで見かける東洋系の人はほとんど日本人だったと思う。

このフォトフォリオレビューは先着順で参加できるレビューになっている。参加費は280ユーロ。今年のレートで約33000円くらい。レビュー代を支払うと10人のレビューを選ぶことが出来る。
他のレビューに比べるとかなり安い値段になっている。これは、このレビューが学生さんでも参加できるようにという配慮がなされているからだ。

アルルのレビューに参加する手順はまず5月くらいにアルルのサイトがオープンするので、そのサイトのフォトフォリオレビューの所から申し込みをする必要がある。
いつサイトがオープンするのか事前にアナウンスもないので、その頃に毎日サイトをチェックしてアップしているのを発見するしかない。今年は5月7日くらいにフランス語のサイトが立ち上がった。

最初はフランス語のサイトがアップする。英語のサイトはそれからしばらくしてからでないとアップしない。それでも今年の場合は、フランス語のサイトの申し込みの所にはいるとあとは英語が出てくるので、サイトがアップしたらすぐに申し込み可能だった。
申し込みはアルルのサイトのEducationという項目(フランス語版ではFormation)からPhoto Folio Reviewにはいり、そこのページの右にあるregistration,payment and exhibitionsという項目にはいっていく。

申し込みをすると、クレジットカードでの支払いをするように指示されるので手順通りに支払いを済ませればすぐにその時点で決まっているレビュアーを選んでいくことが出来る。

アルルでは最終的に100人近いレビュアーが参加する。今年参加した写真家の数は265名。レビュアーは最初は50人くらいがリストアップされていて、少しずつ増えていくので、ちょくちょくチェックしてレビュアーを選んでいかなければならない。

レビューの期間も選ぶレビュアーによって変わってくるのだが、5日間くらいの間に少しずつスケジュールをくんでいくことができる。
僕は日程を有効に使いたかったのでレビューは3日間で終えるようにスケジュールを組んでみた。一日2人から5人のレビュアーに見てもらうスケジュールだ。



2009年7月1日水曜日

サンタフェその後

CenterからNewsletterが届きました。

レビュアーや参加したフォトグラファーからのおもしろかった、すばらしかった、という感想がのっています。

ロンドンから参加した香港人Kurt Tongさんのブログにおもしろい記事がのってますので紹介します。

彼はAlec Sothがこれから世界にうって出ようとする写真家にとって何が大切かというインタビューに答えて、3つのアイテムをあげたことに影響を受けたことを書いています。

1. Jen Bekman and her Hey, Hot Shot competition.
2. Mary Virginia Swanson
3. Review Santa Fe

やっぱりレビューサンタフェは重要アイテムですよ。

そしてMary Virginia Swansonさん。写真家にとって彼女の力は偉大です。
さてさて僕は来年どうしてもMary Virginia Swansonさんを日本にお呼びして、世界を目指す日本の写真家に彼女のワークショップを体験してもらいたい、と思ってます。

レビューサンタフェの感想などのページ

Kurt Tongさんのブログ

Alec Sothのインタビュー


2009年6月30日火曜日

フォトアライアンスとアワワールドポートフォリオレビュー

サンフランシスコ在住の兼子裕代さんからサンフランシスコで開かれるポートフォリオレビューのお知らせが届きました。

以下は兼子さんから届いた文章をそのまま掲載します。

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サンフランシスコ・ベースの写真オーガニゼーション、フォト・アライアンスを紹介をします。
その歴史は比較的あたらしく、2002年に写真家リンダ・コナーが創設しました。

以来、ほぼ一月に一回のペースで、国内外の著名な写真家及び新進の写真家のレクチャーシリーズを勢力的に企画しています。
過去のレクチャーシリーズには、Stephen Shore、Martin Parr、Joel Sternfeld、Emmet Gowin、Alec Soth、Susan Meiselas、Terri Weifenbach、Bill Owens、日本からも、
細江英公、畠山直哉などが名前を連ねています。また、メインのレクチャーの前に、新進の写真家によるプレゼンテーションも行われていて、主にカリフォルニア在住の若手写真家を知る良い機会ともなっています。
毎回、レクチャーの前後に軽いパーティが開かれ、作家との交流が可能なことも楽しみのひとつです。

リンダ・コナーはニューヨーク生まれ、ロード・アイランド・スクール・オブ・デザインとイリノイ・インスティチュート・オブ・デザインで
Harry Callahan、Aaron Siskind、Frederick Sommerなどから写真を学んだのち、写真家として活動する傍ら、69年から現在に至るまでサンフランシスコ・アート・インスティチュートの写真学科で教えています。
長いキャリアと人柄からか、写真界での顔の広さは驚くべきものがあり、彼女の人望によりこのレクチャーシリーズが実現していると言っても過言ではないように思います。

リンダ・コナーのサイト

フォトアライアンスはレクチャーの他に、年に一回のポートフォリオレビューを3年前から行っています。
サンタフェ・センターやヒューストンのレビューよりは歴史も浅いし、規模も小さいとは思いますが、会場がサンフランシスコ・アート・インスティチュートということもあって、学内のカフェテリアで朝、お昼ご飯をケータリング(一部、主催者やボランティアによる手作り!!)するなど、アットホームで和やかな雰囲気があるように思います。

とはいえ、イースト・コーストやアメリカ各地の主要な写真関係者をレビュアーとして招待し、スポンサーや関係団体からの賞やスカラシップも年々充実してきているようですし、作品をプロモートするとても良い機会となる可能性も高いと思います。

参加希望者は前もって作品のサンプルを送り審査を受けた上で参加の是非が決まるので、一定のレベルをクリアした写真家たちですが、先に述べたように、比較的小規模、フレンドリーな雰囲気などから、このようなイベントに初めて参加する人には最適のレビューと言えるかもしれません。

アワ・ワールド・ポートフォリオレビューのサイト

兼子裕代

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2009年のポートフォリオレビューは3月13日から15日までの3日間開かれました。事前審査の締めきりは2月13日。

参加できる写真家は50人なのに対してレビュアーは45人と恵まれたレビューだと思います。

日本からも行きやすいサンフランシスコでの開催というのも魅力の一つでしょう。来年のレビューに日本からの参加者がでるとうれしいですね。

2009年6月14日日曜日

レビューサンタフェに参加しよう!

レビューサンタフェを主催するCenterのスタッフLaura Wzorekさんにレビューサンタフェのことについていくつか質問をしてみた。

CenterはNPO なので、レビューサンタフェなどのイベントは参加費と行政からの援助によって運営されているのだそうだ。

レビューサンタフェのミッションは、写真家たちにより多くの観客に作品を見せて、批評、批判してもらってフィードバックをもらうことにより自分の作品について話すことになれていって欲しいというのがまず最初の目的だそうだ。

そして、他の写真家と交流をしたり、写真業界にどんな人たちがいるのかを知ってもらいたいというのも重要な目的の一つ。

そしてこのレビューの結果として、展覧会が決まったり、作品が売れたり、出版が決まったりという成果もしっかりと出ているそうだ。

レビューサンタフェは2001年から始められたそうだが、参加する写真家の審査を始めたのは2005年からということだ。最初はちょっとお高くとまっているんじゃないか、とか批判も多かったのだそうだがそれもだんだんと審査のメリットである参加してくれたレビュアーが質の高い作品を見ることができるという保証があることで次第に解消していったそうだ。
また、審査をすることで審査する人のフィルターがかかってしまうのではないかという懸念を解消する手段として審査する人は毎年変えている、ということだった。

もちろんレビューサンタフェはアメリカ以外の国の写真家にも広く開かれているイベントであって海外からの参加はいつでも大歓迎だそうである。

日本の写真家にとって、一番の問題は言葉の壁だろうと思うが、近親者に英語が出来る人がいればLodge Santa Feはツインルームなので二人でいっても宿泊費用は同じだ。サンタフェには日本語の通訳はいないのだが、アルバカーキにはいるかもしれないという。Centerもアルバカーキあたりで通訳がいないかさがすことのお手伝いはできるだろう、ということであった。

ただし、Centerのスタッフはほとんどボランティアでフルタイムではないのでメールでの連絡のレスポンスははっきり言って悪い。連絡を取るときはねばり強くゆっくりやることが必要だ。

サンタフェセンターホームページ

サンタフェのシンデレラガール

今年のレビューサンタフェに参加した写真家のなかでもHiroyo Kanekoさんほどラッキーな人はいない。

彼女はサンタフェで2年に一度選ばれるSanta Fe Prize for Photographyの2009年のウイナーである。

このプライズは2003年から始められていて、最初のウィナーはアレック・ソス。

彼女は現在サンフランシスコ在住の写真家で、漢字で書く
と兼子裕代さんだ。
日本でも写真の仕事とライターの仕事をしていたそうで、アサヒカメラなどにも執筆していたという。その後サンフランシシコ・アート・インスティテュートで2年間勉強しなおしてアメリカで写真家としての本格的なキャリアをスタートさせた。

サンタフェのプライズはRaiko Photo Centerのディレクターが応募してくれていたものだそうで、推薦方式のノミネートだという。アメリカ全土から100人弱の写真家がノミネートされるそうだ。
彼女も、エー、そんなのにノミネートされたんだー、と友達と話し合っていたというがまさか自分がプライズをとれるとは思っても見なかったという。
そして今年の審査員はシャーロット・コットンである。

このプライズを取った人はレビューサンタフェにも参加料を免除されて招待される。アゴアシは自分持ちだが、7万円ほどもする参加費を免除されることは
彼女にとってとてもありがたいことだったという。

彼女のポートフォリオレビューの参加は今回が2回目。サンフランシスコで行われるPhoto AllianceのOur World Portfolio Reviewというのに一度参加したことがあるそうだ。このレビューも事前審査のあるレビューのようだ。

プライズを取った彼女の作品はSentimental Educationと題された彼女自身の家族が温泉に入っているシーンを4*5で撮影したシリーズである。

日本人には江戸時代から浮世風呂的なみんなでお風呂に入って、そこがコミュニケーションの場所になる、という伝統のDNAがきざみこまれている。

僕も本人がどんな人かすごく興味があったのだが、本人はいたっておっとりしてのんびりとした性格の人だった。レビューサンタフェはみんながフレンドリーに和やかに進行していたとはいえ、レビュー自体は分刻みなので参加者はかなりの緊張とストレスにたえなければならない。

レビューはどんな感じ?と彼女に聞いてみたら、なんとサンタフェとサンフランシスコに1時間の時差があることもあって、最初のレビューに遅刻してしま
ったという話である。主催者から携帯に電話があって、どこにいるんだ、という連絡がありあわてて会場に急行したそうだ。
おっとりマイペースの彼女にはレビューの分刻みの進行はどうも苦手な領域らしいのだ。ポートフォリオレビューに参加するのはこれが最後かもしれないなー、とため息を漏らしていた。

おいおい、そんなことでどうするんだ、これはすごいことなんだよ、このチャンスにどんどんのっていかなきゃ、とむしろまわりにいる僕たちのほうがやきもきしてしまうくらいなのである。

彼女がこれからどんな写真家になっていくのか。日本でどんな風に彼女のことがとりあげられていくのか。


ぜひ彼女のおっとりとしてマイペースな性格をくずさないようにしながら成長していってもらいたいと感じたのだった。


Hiroyo Kanekoさんホームページ



Flak Photoのアンディ・アダムズ氏も熱心に兼子さんの作品を見ていた。

Mary Virginia Swansonさんのこと

ポートフォリオレビューのレビュアーの立場というのは写真家をマーケットに送り出すという役目をになっている人が多い。そのためにその写真家が自分がマネージングするマーケットに適しているかいないか、という判断が常に写真を見る目をきびしくする。

スワンソンさんの立場はそんな大半のレビュアーとは全く異なる。

彼女は写真家のコンサルタントだ。つまり写真家がどのようなゴールを目指しているかをとらえて、どうやったらそれが実現できるかをアシストするのが彼女の仕事なのだ。徹頭徹尾写真家の味方なのだ。

今回のレビューで驚異的だったのはスワンソンさんの精力的な活動ぶりだった。一日目のポートフォリオビューイングの時に彼女は自分がレビューする写真家をのぞいた全写真家のポートフォリオをチェックしていた。

そして二日目の僕のレビューの時には、驚いたことに事前に僕のホームページを丹念に調べてあり、すぐに今のホームページにかけている点を4つ指摘してくれた。

そしてまるで僕の心の中や無意識の願望まであぶりだすように、あなたのゴールを実現するためにはこういうことをしたほうがいい、ということを具体的に示してくれた。

彼女の指摘を受けると僕の中では、あ、なるほど、と具体的なイメージがわき上がってくる。

ポートフォリオレビューに参加するレビュアーにギャラは出ない。彼らは無償で参加する代わりに自分のマーケットに必要な人材発掘をする。

しかし、20分のレビューの時間以外の時間を使ってここまで丹念に自分がレビューする写真家の情報を調べてくる人は他にはいない。

彼女の個人コンサルタントは1時間300ドルするのだが、多数の写真家をクライアントに持ち様々な写真家から支持と賞賛を得ている。
そして彼女も写真大好き人間なのだろうと思う。最後の日のレクチャーでもレクチャーを録音しながら熱心に質問をしていた。

僕は彼女にぜひ日本に来てもらいたいと思っている。そしてより多くの日本の写真家と彼女が出会えることを願っている。

Mary Virginia Swansonさんホームページ

David Bram氏とFraction Magazine

レビューセッション一日目の二番目に見ていただいたのが、昨年の5月にできたばかりのオンラインマガジンFraction Magazineの共同創立者David Bram氏だった。

現在アメリカではオンラインで写真を見せるサイトがさかんになっている。レビューサンタフェと提携しているFlak Photoもそうだし、Hey Hot Shotもそのひとつだ。

その中でもFraction Magazineはオーソドックスな雑誌スタイ
ルをオンラインに持ち込んでじっくりと写真家の作品を見ることができる点で断然好感がもてるマガジンだ。

David Bram氏は僕の福福星のポートフォリオを見て、なにか目を輝かせていた。
彼曰く、僕の好みと全然違うんだけど、なにかエッジィなかんじ、でも汚いかんじじゃないし、いやな気持ちにもさせない。色もきれいでコマーシャルをやってたからテクニックもいい。もっと大きくするとインパクトがあるんじゃない。

と感想を話してくれた。


その場でFraction Magazineは2ヶ月ごとに作家を紹介するので9
月頃には紹介出来る、といってくれた。

そして次の日の朝にはもうブログでこんな写真家にあって作品を見たよ、近いうちに紹介するから、と書いてくれた。




そのブログをその日の朝にすでにチェックしていたMary Virginia Swansonさんのレビューの時にはいきなり「アンビリーバブル、よかったね」といってもらっ
たのだが、こちらはブログをまだ見ていなかったのでまたもや眼を白黒させていたものだ。ほんとにアメリカの口コミ力はすごい。

Fraction Magazineのメイルリストは5000件くらいあって、そのほとんどがアメリカのギャラリーと美術関係者なのだそうだ。つまり、Fraction Magazineにとりあげられると5000件の関係者にメールでお知らせが届く。

David Bram氏は新しい写真家と写真の関係者を結びつける仕事をしているのだ。それも無償で。

彼は本当に写真が大好きな写真星人なのだろう。レビューの間もどんどんフォトグラファーたちとコミュニケーションしているし、最後の日のCow Girl の集まりにもちゃんと顔を出してみんなと楽しそうに話し合っている。もちろんこんなレビュアーは彼一人だ。


最近ではFraction Magazineのことがニューヨークタイムズにも取り上げられて、レビュアーとしての知名度もあがっているそうだ。

以前にも書いたが、写真界はこのような本当の写真好きの人の活動に支えられて発展する。きっと彼は写真界の重要人物になっていくだろう。


Fraction Magazine ホームページ


Flakphotoホームページ

Hey Hot Shot ホームページ


 

2009年6月13日土曜日

Susan Spiritus Gallery

6日の夜 Cow Girlから戻ってくると部屋のドアにメッセージがはさまれていた。
初日に声をかけてきてくれたスーザンさんからのメッセージだった。電話したんだけど返事がなかったから明日私たちが出発する前に話があるから会えないか、というメッセージだった。

どうやら、僕とセリーンの写真を彼女のギャラリーで売って
みたい、という話のようだ。
彼女はレビューの合間にしっかり僕とセリーンの写真をみてくれていた。自分が見たあとは一緒に来ていた彼女の夫にも見せて意見を聞いていた。

翌日の朝にもう一度ポートフォリオを見せて、その中からこれと
これというように写真のセレクトをしてシッピングしてくれ、という話になった。写真の大きさとエディション、値段などについてもきちんとアドバイスをしてくれた。

僕のポートフォリオはA2サイズでつくったものだが、その大きさがいいということだったが値段は500ドルでは彼女のギャラリーで扱うには安すぎるという話だった。

なにか話の展開が急すぎて実感がわかない。

それと日本では不景気の影響でみんななんとなく不景気だからなー、と後ろ向きの感覚になりがちだが、ここアメリカではそんな雰囲気は全然感じなかった。とに
かくみんな前向きで明るい。
地元のVerve GalleryのディレクターJennifer F. Schlesingerさんに伺った話でも不況の影響は高額の作品には少しあるが、普通の値段帯の作品には影響はない、という話だった。
彼女のレビューを受けたときに、僕の作品には全然興味なしという
ことで話が10分で終わってしまったのでアメリカの写真の状況などについて雑談をしていたときに聞いた話だ。

スーザンさんのギャラリーはアンセル・アダムス、細江英公、ハリー・キャラハン、ポール・カポニグロ、イモージン・カニンハム、アンドレ・ケルテス、ラルティーグ、ジェリー・ウェルスマン、エドワード・ウエストン、渡邉博史といったビッグネームの写真家をあつかっているギャラリーでレビュアーを調べていたときにこんなギャラリーの人にあっても関係なさそうだな、と思っていたところである。


今回の話は細江さんの力によるところがなんといっても大きいので、この話が非常なるビッグラックだとしても問題はこれからどれだけがんばって活動して
いけるか、ということになるだろう。

プリントのエディションの管理なども含めて日本に帰ってからやることがたくさん出来てしまった。サンタフェで出会ったすばらしい人たちはみんな行動が素早
い。
ぼんやりして行動がのろい僕にとってこれは大変な試練になるだろう。

そうこうしているうちに、レビューサンタフェで出会った4人のフォトグラファーの作品をとりあつかうのでよろしく、という Susan Spiritus Gallery のニュースレターがメールで届いた。

スーザンさんは正式のレビューの合間にも精力的に参加し
たフォトグラファーの作品を見ていた。そして彼女のギャラリーは個人客よりも会社のお客のほうが多いともいっていた。レビューサンタフェは彼女にとっても仕入れの草刈り場だということなのだろう。やはり日本の写真現場とは全然違うということなのだ。

Susan Spiritus Gallery ホームページ



本番のレビューの合間にも熱心にポートフォリオを見るスーザン。
福福星のポートフォリオの中からギャラリーで扱う作品をセレクトしているところ。
セリーンの和紙にプリントした作品も気に入られてギャラリーで扱われることになった。

レビューサンタフェ 最終日

レビューサンタフェの最後の日のイベントはNew Mexico Museum of Artで行われるレクチャー。

キューレーターのCharlotte Cotton, Radius Books という出版社の編集者Darius Himes, New Mexico Museum of Artの写真のキューレーターKatherine Ware によるトークショーだ。
最近のデジタル化による出版状況の変化。オンラインマガジンの台頭とオンデマンド写真集の台頭によって出版文化が急激に変化していることなどがテーマになった。

この話は、インターネット上での寄稿が元になった本Words Without Picturesをベースに語られていた。


とにかくもアメリカのネット社会は急激に変化していて全ての新しいことがネット上で次々に現れている。よくもあしくもネット社会の変化は我々のライフスタイルにすさまじい変化をもたらすだろう。


Cow girl にて

フォトオークションが終わったあとは、参加したフォトグラファーがさそいあって地元の酒場Cow Girlに集結。

とにかくアメリカ人はハイハイ文化ともいえるくらいにすぐに声をかけあって仲良くなってしまう。もちろん他の国からきた人もおんなじだ。今回のレビュー
では海外からの参加者も数名いた。
ドイツのミュンヘンからきた男は風景写真を撮影してプリントを売って暮らしているという。ただアルルのフォトフォリオレビューに持って行くと、おまえのは写真じゃないと酷評されるそうだ。フォトショップの後処理で加工しているせいかもしれない、という。

ロンドンからきたカート君はめちゃ明るい香港人。ルバーブルバーブにいって雑誌に取り上げられたり展覧会をオファーされているという。みんな有名なレビュアーに見てもらいたがるけれど、案外そうじゃない人のほうが可能性があるんだよ、というのが彼の意見だ。

オーストラリアのパースからきたグラハム・ミラー氏は普段は獣医の仕事をしているそうだ。彼の写真も技術的にも個性もすばらしいものがある。もちろん成功したら写真一本でやりたい、といっていた。

変わっていたのはシンガポールから来たどこからどう見ても
そのへんのおっちゃんにしか見えない男の人。彼はすごくパワフルな人でもうどんどんどんどん話しかけてくる。旅行の写真がほとんどで中国やらインドやらに行って撮ってきた写真だ。インドではトランスベスタイトの写真を撮影していてセックスシーンまであるほどプライベートに入り込んでいる。何せ押しが強いからぐんぐんと中に入っていくのだろう。
僕にもオーロラセレクトのディレクターがいいぞ、仕事くれるぞ、とさかんにすすめられた。 残念なことに時間が合わずあえなかったのだが。

その他にもメキシコからきた韓国人の女の子、スイスか
らきた男性もいた。

もちろん圧倒的に多いのはアメリカ各地からやってくる人。写真を専業でやっている人もいるが、ウェブデザイナーだとかウェディングフォトをとっているひとなどもいるし、写真学校の先生もいる。とにかくいろいろな人、年齢層もまちまちだけどそんなことは誰も気にしていない。

Cow Girl でみんなでわいわいやっていたときに隣に座っていた女性でやたらハイテンションでおしゃべりしまくっていた人がいた。あとで聞いたら、
その女性が今年のプロジェクトコンペティッションでファーストプライズに輝いたCori Chandler-Pepelnjakという人であった。
これはまた聞きなので正確ではないかもしれないが、彼女はミネアポリスに住む女性で最近二人の写真家のワークショップで写真を学んだそ
うだ。そして毎週末ミネアポリスからニューヨークに通って撮影を続けた。撮影していたのはjojoという14歳の女の子。彼女の母親は、水商売で若い男が好きで生活が荒れている。そんな母親の元での彼女のナイーブな生活のドキュメントが彼女の作品だ。 

こんな風にアメリカではプロの写真家ではなくても作品さえよければチャンスはいくらでもめぐってくる。そして人生のどの時点からでも写真家としてのキャリアをスタートさせることが可能なのだ。