2009年6月3日
レビューサンタフェに向かう途中でロサンジェルス在住の写真家渡邊博史さんのスタジオを訪ねた。
渡邊博史さんは2008年のサンタフェのプロジェクトコンペティッションで北朝鮮のドキュメントであるIdeology in ParadiseでFirst Prizeになったことでもアメリカで注目されている写真家である。
ロサンジェルスでも最先端の高級家具店などがひしめくウェストハリウッドの一角に渡邉さんのスタジオがある。1階には写真のギャラリーがありそのすぐ上のフロアーが渡邊さんのスタジオになっている。
天窓が大きくあいたスペースに渡邊さんの写真が額装されて並べられている。近くこのエリアでアートウォークというイベントがあるので、渡邉さんもスタジオを開放してご自分の作品を展示する予定なのだという。
何とも贅沢な空間で、ファッションや広告の写真家であれば毎日でもこのスタジオで撮影ができるところだが、渡邉さんはファインアートの写真家としての活動しかしていないので撮影ではあまり使っていないという話だ。
日本の写真家が聞いたらため息がもれそうな話である。
そしてさらに暗室がすばらしい。写真で見ていただければ納得されると思うが、余裕たっぷりの広さに加えて、オリジナルの設計で現像、水洗の部分は渡邉さんの身長にあわせた特注になっている。
バットの部分の前に立ってみると確かに非常に使いやすいかんじがする。シンクのかどがまるくなっているのもやさしいかんじでいい。
銀塩のプリントワークはすごい重労働だしセットアップするだけでも気の重くなる作業なのだから、少しでも使い心地がよければ暗室ワークへの意欲がわいてくるというものだ。
この辺も渡邉さんのオリジナルプリントのクオリティが非常に高いことの秘密があるのだろう。
そしてオリジナルプリントのストックも含めて全てのものがとてもきちんと整理されている。
渡邉さんのお話によると、アメリカのファインアートの写真業界というのは口コミ力がすごいのだそうだ。ポートフォリオレビューに集まったときも普段はなかなか顔を合わせることのないギャラリストやキューレーターたちがさかんに情報交換をするという。
そんな業界の一つのエピソードは今年開かれる渡邉さんのスイスでの展覧会の話にもよくあらわれている。
今度の展覧会では今までのプリントよりも大きなサイズのプリントでの展示になるそうだが、そのことをこれまで渡邉さんのプリントを扱っているギャラリーにも相談をかけたそうだ。大きいプリントをつくることは渡邉さんにとっても新しい境地を開くものになるわけだし、これまでのギャラリーにとっても新しい販売の境地になる。それぞれのギャラリーが納得してくれて、スイスのギャラリーでも新しいプリントを1セット購入することに決めたところ、他のギャラリーでもそれじゃあうちでもというあんばいで、なんと今度の展覧会が開かれる前から、しかも渡邉さんの新しいサイズのプリントが完成する前からこの展覧会のプリントは全て売り切れてしまったことになる。
どうだろう。日本の写真家にとっては信じられないような話ではないだろうか。
写真家渡邉博史さんについてはまだまだ話したいことがいっぱいあるのだが、またの機会にすることとしよう。
渡邉博史さんホームページ
レビューサンタフェに向かう途中でロサンジェルス在住の写真家渡邊博史さんのスタジオを訪ねた。
渡邊博史さんは2008年のサンタフェのプロジェクトコンペティッションで北朝鮮のドキュメントであるIdeology in ParadiseでFirst Prizeになったことでもアメリカで注目されている写真家である。
ロサンジェルスでも最先端の高級家具店などがひしめくウェストハリウッドの一角に渡邉さんのスタジオがある。1階には写真のギャラリーがありそのすぐ上のフロアーが渡邊さんのスタジオになっている。
天窓が大きくあいたスペースに渡邊さんの写真が額装されて並べられている。近くこのエリアでアートウォークというイベントがあるので、渡邉さんもスタジオを開放してご自分の作品を展示する予定なのだという。
何とも贅沢な空間で、ファッションや広告の写真家であれば毎日でもこのスタジオで撮影ができるところだが、渡邉さんはファインアートの写真家としての活動しかしていないので撮影ではあまり使っていないという話だ。
日本の写真家が聞いたらため息がもれそうな話である。
そしてさらに暗室がすばらしい。写真で見ていただければ納得されると思うが、余裕たっぷりの広さに加えて、オリジナルの設計で現像、水洗の部分は渡邉さんの身長にあわせた特注になっている。
バットの部分の前に立ってみると確かに非常に使いやすいかんじがする。シンクのかどがまるくなっているのもやさしいかんじでいい。
銀塩のプリントワークはすごい重労働だしセットアップするだけでも気の重くなる作業なのだから、少しでも使い心地がよければ暗室ワークへの意欲がわいてくるというものだ。
この辺も渡邉さんのオリジナルプリントのクオリティが非常に高いことの秘密があるのだろう。
そしてオリジナルプリントのストックも含めて全てのものがとてもきちんと整理されている。
渡邉さんのお話によると、アメリカのファインアートの写真業界というのは口コミ力がすごいのだそうだ。ポートフォリオレビューに集まったときも普段はなかなか顔を合わせることのないギャラリストやキューレーターたちがさかんに情報交換をするという。
そんな業界の一つのエピソードは今年開かれる渡邉さんのスイスでの展覧会の話にもよくあらわれている。
今度の展覧会では今までのプリントよりも大きなサイズのプリントでの展示になるそうだが、そのことをこれまで渡邉さんのプリントを扱っているギャラリーにも相談をかけたそうだ。大きいプリントをつくることは渡邉さんにとっても新しい境地を開くものになるわけだし、これまでのギャラリーにとっても新しい販売の境地になる。それぞれのギャラリーが納得してくれて、スイスのギャラリーでも新しいプリントを1セット購入することに決めたところ、他のギャラリーでもそれじゃあうちでもというあんばいで、なんと今度の展覧会が開かれる前から、しかも渡邉さんの新しいサイズのプリントが完成する前からこの展覧会のプリントは全て売り切れてしまったことになる。
どうだろう。日本の写真家にとっては信じられないような話ではないだろうか。
写真家渡邉博史さんについてはまだまだ話したいことがいっぱいあるのだが、またの機会にすることとしよう。
渡邉博史さんホームページ
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