2009年6月11日木曜日

レビューサンタフェ3 Portfolio Viewing

レビューサンタフェの第一日目のセッションは早めに終わって、フォトグラファーたちはCenter for Contemporary Artという場所に移動する。

今日はここで、全フォトグラファーのポートフォリオを展示してレビュアーに見てもらったり、一般にも公開されるので地元の人たちにみてもらうことになる。
体育館みたいな広い会場にはテーブルがセッティングされており、それぞれのフォトグラファーの名札がおいてあって1メートル半くらいのスペースに自分のポートフォ
リオを展示することが出来る。

僕もいそいそと自分のブースにポートフォリオを並べる。今回審査には間に合わなかったが和紙にプリントしたポートフォリオを持参してきた奥様のCeline Wuの作品もついでに並べた。僕が英語がだめなので、3カ国語をしゃべれる彼女の存在は今回本当にありがたいものだった。彼女がいなかったら、レビュアーの人たちや仲間のフォトグラファーたちとの交流もままならなかった。

レビューの合間に見せあってはいるものの100人のフォトグラファーたちの作品が一同に並べられた姿は圧巻である。
レビューサンタフェはどちらかというとドキュメント性の強い作品が多いように感じていたのだが、こうして並べられている作品を見ていると実に様々なタイプの作品があっておもしろい。
2人の競作で一点だけの写真のインスタレーションにな
っているもの、古色蒼然とした箱にジオラマというか何というかのぞき込まなくては見えないようなオブジェを制作してきた人、またパノラマ上にフォトショップでつなげた横長の作品も何点か目についた。

プリントはどちらかというと、インクジェットの作品が多いようだ。壁には明日のフォトオークション用の作品も飾ってあってとにかく自分のポートフォリオの前にいるよりもいろいろのぞきに行きたいな、という衝動にかられる。

コンサルタントでレビュアーのMary Virginia Swansonさんは精力的に全員のポートフォリオに目を通している。僕の所は明日のレビューがあるというと、じゃあ明日ね、ということで、横浜で準備中のフォトフェス&ポートフォリオレビューのプレイベントでぜひ来ていただきたい、というお話をした。彼女からは前向きなお返事をいた
だいている。

昼間に見ていただいたオンラインマガジンFraction Magazine のDavid Bram氏も登場してCeline の作品を見てもらう。彼の奥様も1歳のお嬢様をだ
きかかえて一緒に見てくださった。

レビューサンタフェでは事前に参加するフォトグラファーの作品をオンラインで見ることが出来るので、自分の気になるフォトグラファーの作品を見に来るレビュアーもこの一般公開のPortfolio Viewingでみることができるわけだ。
僕の所にもSanta Barbara Museum of ArtのキューレーターKaren Sinsheimerさんがわざわざ見に来てくれた。
いくつかのやりとりがあった後に彼女から出た質問はこ
の写真はいくらなのか、という質問だった。渡邉博史さんからもアメリカでは必ずフォトグラファーにおまえの写真はいくらなのか、と聞かれると聞いていたので何となくは考えていたのだが、これは難しい質問だ。
何せこれまでプリントをプライマリー市場で売ったことがないわけだから値段のつけようがない。自分の評価もよくわからないわけで、日本では横木安良夫さんですら最初は25000円からということでブリッツギャラリーで販売している例もある。

まあ、500ドルくらいかな、と曖昧な返事しかできなかった。

他にもサンタフェには地元に熱心な写真愛好家やアーティストがたくさんいるらしい。次々にやってきては見せろ見せろということになり3時間のPortfolio Viewingはずっと立ちっぱなしでかなり疲れる体験であった。


レビューサンタフェに参加した100人の写真家の作品一覧


ポートフォリオビューイングの会場入り口


2人の写真家のインスタレーション作品。



Aline Smithsonさんはロサンジェルスの写真学校の先生だそうだ。フォトコンペの審査員もしているような人。
Alineさんの作品の中にシノワズリー調の僕好みの作品が。




プレゼンにノートパソコンを使う人も多くなっている。



体育館のような会場に100人の写真家のポートフォリオが並べられるのはすごい迫力がある。

壁面には翌日のオークション用に参加した写真家の作品がならべられている。


Fraction Magazine のDavid Bram 氏と奥様と愛称ジェリービーン・かわいい赤ちゃん。

レビューサンタフェ2 Portfolio Review

6月5日

さて、あけて5日、10時から3時までいよいよポートフォリオレビューの開始である。

ポートフォリオレビューの始まりはおそらくヒューストンのミーティングプレースからだろうと思う。ヒューストンフォトフェストは1983年から始まっている。それが今では欧米のあちこちでさかんにポートフォリオレビューが行われるようになった。
これは写真がアート業界に組み入れられて一枚のオリジナルプリントの価値もここ10年くらいの間に急激にあがってきたこととも無縁ではないのだろう。

写真のエキスパートと呼ばれるギャラリストやキューレーター、出版社や編集者、コンサルタントなどといった人たちがレビュアーとなって参加したフォトグラファーのポートフォリオを20分間見てくれたり、アドバイスをしてくれたりする、というのが基本的なレビューの姿である。

日本ではフォトグラファーからの持ち込みでポートフォリオを見てもらうのが普通なのだが、欧米では簡単に持ち込みはできない。ギャラリーに電話すれば今忙しいから3ヶ月後にまた連絡してくれないか、というやんわりとしたお断りがあったり(もちろん3ヶ月後に電話しても同じ言葉が返ってくるだけ)、サイトにはっきりと持ち込みはできません、と書いてあったりする。

そうした事情からポートフォリオレビューは唯一フォトグラファーがギャラリーなどに直接プレゼンテーションできる貴重な機会なのだ。

レビューサンタフェでは43名のレビュアーから9人を選んで見てもらうことができる。ただ、どのレビュアーが自分に向いているかということは少ない資料やそのギャラリーなどのサイトを調べることでしか手がかりがない。

特に日本から参加する場合はよけいにわかりにくい。そんなわけでレビュアーの下調べは時間もかかるし一番大変な部分である。

僕が一番最初に見てもらったのはJane Brownさん。D.A.P.Westという出版社のディレクターだ。ジョン・シャーカフスキーのLooking at Photographをはじめウイリアム・エグルストン、トマス・ルフ、ナン・ゴールディン、アレック・ソスなどといった古典から現代作家までそうそうたる顔ぶれの写真集を出している。

最初というのは緊張するものだが、ここでアメリカの写真市場の大きな壁にぶつかってしまった。つまり、アメリカのファインアートの市場では基本的にストレートで社会性のある写真が評価されるということだ。
アメリカは写真の国だ。アンセル・アダムス、エドワード・ウエストンを始祖とし、リー・フリードランダー、ロバート・フランク、リチャード・アベドン、
ウイリアム・エグルストン、リチャード・ミズラック、ジョエル・マイエロヴィッツ、ロバート・メイプルソープに至るまでフォーマットは様々あるにしても写真をストレートに使って表現をしてきた。
デジタル化が進んだ今もフォトショップであれこれいじるのはアマチャアのお遊びと見られていてファインアートの世界ではあくまでストレートな写真の王道がよしとされている。
レビュアーのコメントにもコマーシャルフォト、ストックフォト、ヌード、フォトショップでいじりすぎている写真は見たくない、とコメントしている人が多くいる。

今回僕が持って行ったポートフォリオのひとつ、福福星はクラブピープルのポートレートでセットアップした写真ではなくクラブイベントにきた人をその場で撮影したドキュメントである。フォトショップの後処理でフォーカスをかけて発光したような効果をつけているのは、彼らがドレスアップしてこう見えたいという形をより効果的に、鏡に映したように表現したかったからに他ならないのだが、なんでこういう後処理をするのか、ということが問題になるのだ。

ここはきびしく攻めこまれる。こちらにも相当の確信と主張がないと対抗できない。
もちろん僕のほうも3年くらいの撮影期間とその間に仕上がりも何度も悩みながら作り上げてきただけに確信はあるのだが、めんと向かってうまく主張することは結構難しいものだ。

今回のレビューサンタフェで感じたのはたいていのレビュアーの価値観の中にストレートフォトを信奉している確信というものを強く感じた。
ただ日本のようにみんながあっちを向けばみんなその価値観になっていく、というような傾向は全くない。個人の好みがはっきりしているだけで、有名であろうがなかろうが好きなものは好き、興味のあるものにはすごく関心を示し、興味のないものは全く関心なし、ということははっきりしている。

そんなわけで、次にみてもらったオンラインマガジンの共同創立者David Bramさんには、あなたの写真は僕の好みとは違うんだけどすごく興味がある、というコメントをいただいた。彼のことは別の項目で紹介したい。

この日の最後は「The Photograph As Contemporary Art」やギイ・ブルダンの写真集に解説を書いていて現在LA County Museum of ArtのキューレーターをしているCharlotte Cottonさんにみていただいた。
彼女は非常に穏やかな人で写真の技術的な問題にたいするこだわりもなく淡々と感想とアドバイスをしてくれた。
後藤繁雄さん、横浜美術館の天野太郎さんなどの名前も飛び出して和やかな雰囲気になった。「The Photograph As Contemporary Art」は今年の9月には日本語訳もでるそうだ。

ポートフォリオレビューが行われている間もフォトグラファー同士は休憩室に集まったり、廊下などいたる所でお互いの作品を見せ合っていた。

これがものすごくおもしろい。参加するフォトグラファーの作品はレビューサンタフェのサイトにアップされているので事前に見ることが出来るのだが、やはり本物のポートフォリオは様々なバリエーションがあってしかもレベルも高くとにかく見ていて飽きない。



フォトショップの発達で横長、縦長の写真も多く見受けられる。

レビューに参加した写真家同士でポートフォリオをみせあう。その人の考え方や手法を知るいい機会だ。
高校生のプロムカップルのポートフォリオを説明している。キャノンのマーク2で撮影してインクジェット出力ということだが、非常にクオリティが高くて大型カメラで撮影したような印象を受けた。

レビューサンタフェ1 Check in & Private Reception


6月4日

レビューサンタフェはポートフォリオレビューの中でも唯一参加するフォトグラファーの事前審査があるレビューである。

審査の応募締めきりは今年の1月末。20カットのプロジェクトの写真とその写真のステートメント(説明文)を送り審査に応募する。

今年の応募者数は約600人だったそうだ。レビューに参加できるフォトグラファーは100人ほど。どうもこの審査のレベルもかなり高いらしい。

4月はじめに、あなたは約50名のウェイティングリストにはいりました、キャンセルがあった場合にウェイティングリストから繰り上がっていきますのでキャンセルがあり次第お知らせます。スケジュールをあけておいてください。というメールがはいった。
ありゃー、それじゃあちょっと無理かな、とがっかりしていたのだが、ほどなくキャンセルがありました、参加費を期日までにお支払いいただければ参加の詳細を知らせます、というメールがはいった。

やれやれこれでやっとレビューサンタフェに参加することが出来るわけだ。きびしい道のりなんだなぁ。

レビューサンタフェのことは、写真家の志鎌猛さんからうかがった。森の写真をプラチナプリントで制作する寡黙な写真家である。志鎌さんのこともぜひこのブログで紹介しなくてはいけないがまずはレビューサンタフェの報告をしていこう。

サンタフェの情報は日本では手に入りにくい。宮沢りえの写真集で有名なこと、サンタフェスタイルというインテリアの本を見たことのある方も多いかもしれない。
アメリカ、ニューメキシコ州のアルバカーキから車で約1時間の距離にある。まわりは砂漠や西部劇でおなじみのまるいブッシュのような背の低い植物がごろごろ生えている荒地だ。

なんでもアメリカ三大芸術の街の一つともいわれていて芸術家が多く集まっていることやギャラリーが多いことでも有名なのだそうだ。

日本からは成田からサンフランシスコかロサンジェルス経由でアルバカーキにはいるのが一番便利だろう。

行く前に細江さんからサンタフェにはアンディ・スミス・ギャラリーというところがあって細江さんの作品も扱っている、と聞いていたのでサンタフェに到着してすぐにアンドリュー・スミス・ギャラリーに向かった。
アンドリュー・スミス・ギャラリーはジョージア・オキーフ美術館の隣に引っ越したばかりの一軒家のギャラリーだ。

中にはいると、アニー・リーボヴィッツの有名なジョンとヨーコの大きなプリントが目にはいる。値段は850万円くらい。さすがというような値段だが、アニー・リーボヴィッツは作品を売ることにはあまり興味がない、という話だ。
その他にもアメリカのロックミュージシャンの写真がいろいろ飾ってあって、ジャニス・ジョプリン、フランク・ザッパ、ジミー・ヘンドリックスといった伝説のロックスターのオリジナルプリントはロック好きにはたまらないだろう。

隣のジョージア・オキーフ美術館もこじんまりとした感じのいい美術館だ。アルフレッド・スティーグリッツとオキーフの物語もビデオでみることができる。

その他にも新進のVerve Galleryという写真のギャラリーがあって、こちらは瀟洒でおしゃれなかんじのギャラリーだ。奥の方にはマグナムの創立者たちの写真集とオリジナルプリントが展示されていた。

レビューサンタフェはダウンタウンから少し離れたThe Lodge at Santa Feというホテルで開かれる。43名のレビュアーと100名のフォトグラファーの全員がこのホテルに滞在して2日間のレビューセッションが行われる。

初日はチェックインとマリー・ヴァージニア・スワンソンさんによるオリエンテーションから始まる。レビューの心構えやレビュアーとのセッションでは相性があるので、相性が悪かった場合は自分のプレゼンテーションはやめて話を他に振った方がいいことなどの解説があった。

その後、地元のPhoto-Eye Gallery で開かれるDebbie Fleming Cafferyさんという女性写真家の写真展のオープニングパーティにみんなで参加する、というプログラムになっていた。

レビューに参加するフォトグラファーはみんなフレンドリーですぐにお互いの自己紹介が始まる。どこから来たの、とかイギリスのルバーブルバーブのポートフォリオレビューはこんな感じ、とかフォトグラファー同士の情報交換もさかんだ。

ちょっとメキシカンなかんじの豆料理をほうばっていたら、「日本から来たHosoeの生徒だったというのはあなたのことか、明日かあさってにあなたの写真も絶対に見るわよ」と親しげに近寄ってきた女性がいる。こちらはなんのことかさっぱりわからずにしばらくは眼を白黒させるだけだった。
この女性はロサンジェルスのニューポートビーチにあるSusan Spiritus GalleryのSusan Spiritusさんだった。彼女もこのレビューサンタフェのレビュアーとして参加しているのだが、どうやら僕らが先ほど立ち寄ったアンドリュー・スミス・ギャラリーのオーナー、アンディさんから僕たちのことを聞いたらしい。むこうの方でアンディさんが手を振っている。
なあるほど。渡邉博史さんが言っていた、口コミ力というのはこのことか、なんて情報が伝わるのが早いんだ、と感心してしまった。

同時に細江さんが数十年にわたって海外の写真界と交流・協力をおしみなくしてきたことがこうした好意的な反応につながることに本当に頭の下がる思いがした。細江さんのワークショップ写真学校に参加した頃から細江さんの口からアメリカ西海岸の写真家たち、ジャック・ウェルポットやジュディー・データーのワークショップに行って教えた体験を聞いていたからなおさら強くそう感じるのだった。




アンドリュー・スミス・ギャラリー。ジョージア・オキーフ美術館のとなりに引っ越したばかりだそうだ。

アニー・リーボヴィッツのジョンとヨーコの写真。850万円くらい。
誰もが知っている有名な写真もいろいろあるので初心者でも見ていて楽しいと思う。

ジャニス・ジョップリンとフランク・ザッパの写真が。ロック好きにはたまらないでしょう。

こちらは新進のギャラリー。Verve Gallery.とてもおしゃれな感じ。

マグナムの創立メンバーのオリジナルプリントが治められたボックスセット。
ハイビジョンでもいろいろな写真家の作品がビューイングできるようになっている。
ロッジサンタフェのエントランス。
ロッジサンタフェのロビー。
中庭にはプールとジャクジーがある。地元から参加した写真家がガールフレンドとジャクジーにつかって息抜きしていた。
参加した写真家にはタイムスケジュールや高地なのでアルコールが強くなるから気をつけなさいなどという注意事項、地元のレストランリストなどいたれりつくせりの資料集が渡される。
チェックインカウンター。
マリー・ヴァージニア・スワンソンさんからのオリエンテーション風景。
チェックインとオリエンテーションの後にフォトアイギャラリーで地元の写真家のオープニングに皆で参加。

渡邉博史さんのロサンジェルスのスタジオ訪問

2009年6月3日

レビューサンタフェに向かう途中でロサンジェルス在住の写真家渡邊博史さんのスタジオを訪ねた。

渡邊博史さんは2008年のサンタフェのプロジェクトコンペティッションで北朝鮮のドキュメントであるIdeology in ParadiseでFirst Prizeになったことでもアメリカで注目されている写真家である。

ロサンジェルスでも最先端の高級家具店などがひしめくウェストハリウッドの一角に渡邉さんのスタジオがある。1階には写真のギャラリーがありそのすぐ上のフロアーが渡邊さんのスタジオになっている。

天窓が大きくあいたスペースに渡邊さんの写真が額装されて並べられている。近くこのエリアでアートウォークというイベントがあるので、渡邉さんもスタジオを開放してご自分の作品を展示する予定なのだという。

何とも贅沢な空間で、ファッションや広告の写真家であれば毎日でもこのスタジオで撮影ができるところだが、渡邉さんはファインアートの写真家としての活動しかしていないので撮影ではあまり使っていないという話だ。

日本の写真家が聞いたらため息がもれそうな話である。

そしてさらに暗室がすばらしい。写真で見ていただければ納得されると思うが、余裕たっぷりの広さに加えて、オリジナルの設計で現像、水洗の部分は渡邉さんの身長にあわせた特注になっている。
バットの部分の前に立ってみると確かに非常に使いやすいかんじがする。シンクのかどがまるくなっているのもやさしいかんじでいい。
銀塩のプリントワークはすごい重労働だしセットアップするだけでも気の重くなる作業なのだから、少しでも使い心地がよければ暗室ワークへの意欲がわいてくるというものだ。
この辺も渡邉さんのオリジナルプリントのクオリティが非常に高いことの秘密があるのだろう。

そしてオリジナルプリントのストックも含めて全てのものがとてもきちんと整理されている。

渡邉さんのお話によると、アメリカのファインアートの写真業界というのは口コミ力がすごいのだそうだ。ポートフォリオレビューに集まったときも普段はなかなか顔を合わせることのないギャラリストやキューレーターたちがさかんに情報交換をするという。

そんな業界の一つのエピソードは今年開かれる渡邉さんのスイスでの展覧会の話にもよくあらわれている。

今度の展覧会では今までのプリントよりも大きなサイズのプリントでの展示になるそうだが、そのことをこれまで渡邉さんのプリントを扱っているギャラリーにも相談をかけたそうだ。大きいプリントをつくることは渡邉さんにとっても新しい境地を開くものになるわけだし、これまでのギャラリーにとっても新しい販売の境地になる。それぞれのギャラリーが納得してくれて、スイスのギャラリーでも新しいプリントを1セット購入することに決めたところ、他のギャラリーでもそれじゃあうちでもというあんばいで、なんと今度の展覧会が開かれる前から、しかも渡邉さんの新しいサイズのプリントが完成する前からこの展覧会のプリントは全て売り切れてしまったことになる。

どうだろう。日本の写真家にとっては信じられないような話ではないだろうか。

写真家渡邉博史さんについてはまだまだ話したいことがいっぱいあるのだが、またの機会にすることとしよう。


渡邉博史さんホームページ












2009年5月20日水曜日

Tokyo Portfolio Review を見てきました。

去る5月9日(土)に行われたトーキョー・ポートフォリオ・レビュー。

水道橋駅近くの東京ワンダーサイトの1階で行われたもので
す。このポートフォリオレビューは有料の登録制ではなくて、レビュアーやレコメンダーが推薦する写真家20人を10人のレビュアーがレビューするという形式のものでした。(レビュー自体は5/9,5/10の2日にわたって行われました。)

主催は恵比寿にあるG/P ギャラリー
。公開制なので、レビューを受ける写真家の仲間やレビュアーと面識のある写真家などいろいろな人が来ていました。

レビュアーは後藤繁雄さん(エディター)、姫野希美さん(赤々舎)、吉野弘章さん(東京工芸大)、栗田大輔さん(東京芸大非常勤講師)、大森克己さん(写真家)といったメンバー。

主催の後藤繁雄さんはこのポートフォリオレビュ
ーのミッションを新たな写真の才能発掘、仕事へとつなげられること、世界への発信と位置づけています。今後は年2回のペースで続けていくそうです。

オランダの写真誌"Foam magazine"との連携もあるというインターナショナルな企画。

すばらしい。

この企画は後藤繁雄さんのポケットマネーで運営されているという話もありますが、昔から写真業界の意欲的な企画はすべからく写真が好きで好きでたまらない、という個人の情熱にささえられてきました。

僕が個人的に気になった写真家は五十嵐一
晴さんと勝倉峻太さん。

ファットフォトジャパンの編集者安藤さんも熱心に観戦されていました。

最後はパーティー形式の打ち上げ。コレクター
のジョニー・ウォーカー氏も登場して和やかに幕となりました。