西麻布の交差点から広尾よりのJ.P.C.インスタイル・フォトグラフィー・センターというスペースで産声をあげた写真のアートフェアがある。
日本で数少ないファインアートフォトを扱うギャラリーが集まって開催するThe JPADS Photography Show 20011(2月開催予定)の先行フェアとして開催されているものだ。名前からもわかるようにニューヨークで開催されるAIPADS the Photography Showを意識しているのだろう。
これまで日本ではファインアートフォトのマーケットが確立されそうでなかなか確立されてこなかった。
ぼくもかつて工作舎でてがけたオリジナルプリントショップJ1がなかなかうまく運営できなかったという痛い思い出がある。このショップは青山ベルコモンズの地下にあり、当時としては斬新なファッションからシリアスな写真家までのラインナップをめざしたショップであった。オープニング時には新正卓、与田ひろしといったファッション写真家と奈良原一高までが一同に展示されていた。
さてこのJPADS、呼びかけ人は元PGIのディレクター山崎信さん。そしてブリッツギャラリーの福川さんが音頭をとっているようだ。
くわしいいきさつは福川さんのブログをお読みいただきたいが、オリジナルプリントを買おうというコレクターにとってもっとわかりやすいマーケットをつくりたい、というのが基本構想。まったくもって同感だ。
いったい写真の値段というものはどんな価値付けからつけられているのか。そのことが写真を買っていただくお客様に納得されなければ継続的な購買にはつながらない。
アートを買うという行為は、自分の心を揺さぶった作品を独占できるという満足感、自宅に飾っておけば常にその作品世界とふれられるという心の栄養価、買った作家を認めたのは私だという優越感、タニマチ的な心情などなどいろいろな動機がおりこまれているだろう。
作品の値段は単なるプロダクトを買うという行為とは違う満足感とおりあうものでなければならないし、また買ったアートは世界(日本)でどのような位置にあるものなのか、という客観性もなければならない。
だからこそ、サザビーズなどのオークションの値段はアートの価値付けを保証するものとして重要視されることになる。
今回のJPADS結成がそうしたことの端緒になればすばらしい。12月10日〜12月19日までは第ゼロ会展示ということで5万円〜10万円の予算でかえるお手頃な作品が展示販売されている。ぜひでかけて見て欲しいと思う。
I.P.C.インスタイル・フォトグラフィー・センター
広尾・アート・フォト・マーケット第ゼロ回
福川さんのブログ記事
フォトクラシックの山崎さん。
ブリッツギャラリーの福川さん。
PGIの高橋さん。
6店の出展ギャラリー。
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