毎年1月にロサンジェルスで開かれるPhoto l.a.は、アメリカのウエストコーストを代表する写真のアートフェアだ。
アメリカの景気低迷で、数年前には開催を危ぶまれた時期もあったというが、今年は少し活気を取り戻したようにみえる。会場のサンタモニカシビックオーディトリアムはビーチのすぐそばの好立地。連日、好天とぽかぽか陽気にめぐまれ、2日目にはブラッド・ピットも訪れたそうだ。
写真専門のギャラリーを開業してなんと今年で35周年を迎えるというスーザン・スピリタス・ギャラリーは15年目の参加だという。オーナーのスーザン・スピリタスによると、アメリカのフォトマーケットはイーストコーストとウエストコーストではまったく違うということだ。ニューヨークの特徴はハイエンドコンテンポラリーといわれエディションも少なくサイズも大きく、値段も高い。ウエストコーストはコンテンポラリートラディッショナルといわれて、クラシックなものとコンテンポラリーの中間をいき、サイズは小さめという。値段も手頃な価格帯が多い。スーザンは今年から景気が上向いている感触をつかんでいるそうで、所属アーティストの一人、スーザン・バーンスタインの新作にはどんどん買いがはいっていた。
今年の特徴は中国やヨーロッパのギャラリーの参加がふえたことだろう。写真の傾向もよりコンテンポラリーなものがふえている。アメリカのマーケットはどちらかというと保守的。ニューヨークのAIPADもクラシックすぎてあきられているといわれるなかPhotoLAのこれからの動向は気になるところだ。コレクターのためのレクチャーやスティーブン・ショアなどのレクチャーなども盛りだくさんなので写真愛好家にはうれしいかぎりだ。
またCenter主催のポートフォリオレビューReviewLAも同時開催される。ゲッティミュージアムやLACMAのキュレーターなど主にウエストコーストのレビュアーが中心。 レビューを受けるときは自作をきちんと解説できること、何を目標としているかなど明確に伝えることが基本。日本と違って写真家とフォトマーケットのビジネスの現場なので、レビュアーとのきちんとしたコミュニケーション力は必須条件である。
今年2013年は、エマージングフォーカスという独自のコンペや独自のポートフォリオレビューなども開催される。アメリカ西海岸にはゲッティ・ミュージアム、LACMAなどの著名ミュージアムもあり、そうしたところもこのイベントに協賛してくる。
不況が続くとはいってもやはりアメリカ。西海岸独特の楽天的な開放感があふれる会場なのだ。おそらく今年も同じような雰囲気なのではないかな、と思う。
会期は18日から21日まで。
http://www.photola.com/
会場 |
アレック・ソスの作品も |
ハーブ・リッツ |
渡邉博史のラブ・ポイント |
フォト・アイのブース |
荒木経帷 |
この年は中国のギャラリーが参加していた。 |
盲目の写真家の作品 |
ヘルムート・ニュートン |
アメリカで人気の山本正夫 |
スーザン・スピリタス |
スーザン・バーンスタインとカラ・バーラー |
フラクションマガジンのデヴィッド・ブラム(右) |
スーザン・スピリタス・ギャラリーのブース |
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