2010年10月28日木曜日

Critical Mass Top 50

「コマーシャルフォト」誌11月号の特集「海外写真コンペに応募しよう」にも僕のインタビュー記事が掲載されていますが、大和田良さんや池谷友秀さんら、若い写真家の眼はどんどん海外のフォトマーケットにむけられてきているようです。

PX3やipaはアドバタイジング部門やアーキテクチャー部門などがあって、総花的なコンペですが、ちょっと毛色のかわったのがCritical Massです。このコンペを知るきっかけになったのが、昨年のレビュー・サンタフェに参加する前におうかがいしていろいろとお話を伺った渡邊博史さんがこのCritical MassのTop 50になり、写真集を出版したということを知ったからでした。

ファーストプライズなどを設定するのではなく、ファイナリスト175名の作品を世界のキュレーターやギャラリスト約200名が審査することによってネットを通じたポートフォリオレビューになっているところがこのコンペの味噌なのです。

応募される作品も非常にアメリカ的な作品が多いので最初はとても違和感を感じていたコンペでした。

今日はとてもいいニュースをお知らせします。このCritical Mass Top 50の発表が今日あり、日本から応募された保坂昇寿さんがみごとランキングされました。おそらく日本在住の写真家でランキングされたのは初めてのことと思います。おめでとうございます。

保坂さんも僕のブログをご覧になられていたそうで、このような結果がでてきたこと、僕もとてもうれしいです。

ぜひ保坂さんに続く日本の写真家が続々と現れることを期待したいです。海外のギャラリーと契約する日本在住の写真家やコンペなどで活躍する写真家がでてくるのがまず第一歩ですが、問題はその次です。

世界のフォトマーケットで日本の写真、写真家の考え方がきちんと理解されること、日本ブランドが世界のフォトマーケットできちんとした位置をしめていくことがさらにそのあとの課題です。そのためには世界に足がかりをつかんだ写真家がきちんと世界のフォトマーケットと継続的につきあっていくことが何よりも大切になると思っています。

Critical Mass Top 50 2010

 今年は549名の写真家が応募し、20人のプレスクリーナーが177名のファイナリストをセレクト。さらに215名の審査員の投票により50名のTop 50 が選ばれたそうです。50番目と51番目の差はわずか0.005ポイント、177番目と178番目の差はわずか0.05ポイントだそうです。
保坂さんは20番目にランキングされています。スーザン・スピリタスさんに聞いたところでは3回位のスクリーニングがあって、Wao!かそうでないかを選ぶようになっているそうです。僕も大好きな写真家Cara BarerさんがTop50になったときにスーザンさんは3回ともWao!に投票したのよ、と言ってました。

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